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↓鳥貴族の第1Q分析記事
業績不振から予想されたことではありますが、「うぬぼれ1000」の中期経営計画を取り下げるというニュースが飛び込んできています。新たな経営計画は2019年9月を目途に発表するとしていますが、何をどうするかの組み立てからやり直さなければならない迷走状態に突入しています。
当社は、2017 年9月 20 日に公表いたしました中期経営計画「うぬぼれチャレンジ 1000」(2018年7月期~2021 年7月期)のもと、中期経営目標である「3商圏 1,000 店舗・営業利益率8%」の達成へ向けて諸施策を推進してまいりました。しかしながら、前期実績を鑑みて新規出店を一時取りやめることとしたことや、本日開示した「特別損失の計上及び第2四半期累計期間の業績予想と実績の差異並びに通期業績予想の修正に関するお知らせ」のとおり、2019 年7月期の業績が当初の計画数値を大幅に下回ることが予想されることから、中期経営計画最終年度(2021 年7月期)の目標達成が困難となったと判断し、現在の中期経営計画を取り下げることといたしました。
*本ブログの資料は鳥貴族HPのIRデータを参照しています。
鳥貴族 第2Q決算
鳥貴族の業績を財務諸表を見ながら振り返ってみます。
2019年7月期 第2Q決算
単位:百万円 %は前年比
【昨年比較】
増収減益
売上高
売上高は17,843百万円と前年同期比で+8.1%ほど伸長しています。
既存店売上 92.1%
新規出店 17店舗 トータル678店舗(13店舗純増)
*退店予定 21店舗
IRでは売上低調の原因として新規出店時の売上計画の見誤りと、自社競合での売上の取り合いが原因の一つと分析しています。
収益性分析
営業利益は359百万円となり前年同期比で-532百万円(-59.7%)と大きくマイナスしています。経費増の理由として販管費が5%ほど上がっています。オペレーションはだいぶ簡素化されているんで人件費の増加分は、そこまで大きくないと思うんですけど・・・?
アンダーラインを書きましたが減損損失として撤退予定店舗の資産分が計上されています。結果論にはなりますが、出店ありきで展開を急いだためかミスマッチの物件を握らされたのが原因。明らかに出店戦略判断のミスと思います。
売上高純利益率
= 53,602 ÷ 17,843,347 = 0.3% ✖
貸借対照表 B/S
単位:百万円
流動比率:4,456 ÷ 6,091 = 73.1% 〇
当座比率:3,519 ÷ 6,091 = 57.7% 〇
自己資本比率:6,909 ÷ 17,366 = 39.8% 〇
棚卸回転率:33.4回転 〇
2019年2月速報値
2月の速報値です。撤退店舗は前年実績から抜いてると思うんだけど、そこまで落ちてないなーってのが率直な感想です。根強いファン層はありそうです。
巷ではいろいろダメ出しされていますが、商品力+マーケティング+店舗展開でのかじ取りがまともに出来れば、潜在的な競争力はあると感じますので、十分に再生可能だと思います。
株価推移 証券コード3193 東証1部
【株価】
3/10現在 1,638円
*2年チャート
*5年チャート
きれいに下降線をたどっています。今の業績と先行きの不透明さではやむを得ない展開かと。それにしても最大値の40%ほどまで株価が落ちていますので、本来であれば経営責任を大きく問われる展開です。
PER 25.41倍
PBR 2.75倍
従業員数 827人
平均年齢 31.6歳
平均年収 4,540千円
従業員数 | 平均年齢 | 平均年収 | |
2016 | 601 | 30.7 | 462 |
2017 | 700 | 31.1 | 466 |
2018 | 827 | 31.6 | 454 |
平均年齢が若いところは可能性を感じます。資金力があって、ビジネスモデルも不況には強いタイプだと思います。2年後くらいの景気低迷期になれば、似かよったとこは淘汰されるし、コンビニもギブアップしてくるはずなんで、その時には大きくシェアを拡大してるでしょう。待てれば勝ちってやつですね。
配当金と株主優待情報
【株主優待】
グループ店舗で使用できるお食事券
100株~ 2,000円分
300株~ 6,000円分
500株~ 10,000円分
【配当金】
配当金 8円見込み
配当利回り 0.49%
【配当+利回り】
現在の株価が1,638円なので、100株1単元購入で163,800円(+手数料)で鳥貴族の株主になれます。
1単元(=100株)保有で、食事券2,000円分、配当金が800円なので・・・還元率は1.71%です。優待狙いでの旨みはありませんね。
*投資は自己責任でお願いいたします。
【会計マメ知識】
売上高純利益:純利益の売上高に占める割合
流動資産:1年以内に資金化が見込める資産
流動負債:1年以内に返済の必要な負債
当座資産:流動資産の中ですぐに換金できるもの
流動比率:流動資産 ÷ 流動負債
(200%以上が望ましい)
当座比率:当座資産 ÷ 流動負債
(100%以上が望ましい)
自己資本比率:自己資本 ÷ 総資本
(成長段階では設備投資が先行するので低くなりがちだが40%以上が望ましい)
フリーキャッシュフロー:企業が自由に使えるキャッシュのこと。営業キャッシュフローから、投資にまわしたキャッシュフローを引いたもの。
最後まで読んでいただきありがとうございました。