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こんにちは!
飲食店の計数管理の基礎力をつけるための11回目の講座を始めます。
今回は在庫管理の基本と適正在庫の組み立て方について説明していきます。
この記事を読めば、在庫管理がなぜ重要なのかと、適正在庫を実現するために注意すべきことは何かを理解することが出来るようになります。
適正在庫とは、在庫管理の基本
【キーワード】
適正在庫 在庫管理
適正在庫とは、お客さまに提供する商品の品切れがなく、過剰在庫もなく、ロスも発生していない状態を維持することです。
あなたに3つの質問があります。
- あなたのお店の前月末の棚卸(在庫)金額はいくらですか?
- いきなり保健所がきて冷蔵庫・冷凍庫をチェックしても問題ありませんか?
- お客さまに自信をもって食材の保管状態をみせられますか?
では本題に入っていきます。
飲食店は製造業としての一面があります。
仕入れたものをそのままでは完成品として売れないので、店舗での加工や調理が必要です。
食材は仕入から時間が経過するごとに劣化していきます。
在庫が多いとどうなる?
- 冷蔵庫や冷凍庫の中がごちゃごちゃする
- 食材が痛んでしまう
- 賞味期限切れで廃棄ロスがでる
- どこに何があるか探すのに時間がかかる
- 先入れ先出しがしづらい
- 棚卸に時間がかかる
- 発注に時間がかかる
適正在庫管理をするにはどうすればいいか
整理整頓を行う
最初に手を付けることは整理整頓を行うことです。
- 整理とは、必要なものと必要でないものを分けて、必要でないものを捨てることです。
- 整頓とは、必要なものをすぐに取り出せる状態にすることです。
発注量を減らす
売上予測にもとづく発注を行うことが必要です。
ルールを設定する
- 食材ごとの定位置をきちんと決めて、新人でも分かるように表示をしてください。
- 食材の納品時に先入れ先出しを守って、決められた定位置に置くことを徹底させます。
- 使って余った食材は元あった場所に戻すように習慣づけしてください。
マインドのリセット
マインド面での注意点をいくつか挙げておきます。
これは在庫管理だけでなく、応用の効くことなのでしっかり頭に入れておいてください。
やれるものからやる。
全部を網羅しようとか、しっかり計画を練ってとかも否定はしません。
ただ、初動がずるずると遅くなるよりは、やれるものからスタートしてPDCAのサイクルを回していった方が結果を出すのが早くなります。
できない理由を最初に考えない
できない理由を最初に考える人は、外的要因に理由を求める人です。
周りのせいにした瞬間からあなたの思考は停止します。
できない理由でなく、どうしたら出来るかを最初に考えましょう。
経営層への注意喚起
在庫管理ができていないことを現場の責任にしないことです。
店舗任せにせず、在庫管理の作業手順書を作成し、管理のあいまいな部分をなくすことが最初に必要なことです。
その時も現場ファースト(現場がどうやったらやりやすいか)で仕組を作ること。
一部の経営層がデータを確認したいがためだけに、報告書や報告データを増やすことは、店舗の作業負担を増やすだけです。
データを見るだけで終わってしまうなら、それは1円も利益を生み出さずコストを垂れ流しているだけですから。
練習問題
在庫が多いことによる発生する直接的、間接的な問題をできるだけ多く挙げてみてください。
前回解答
平日のレタスの仕込み量
12万円÷600万円=0.02
0.02×30kg=0.6kg(600g)


在庫管理は店舗の収益体質の改善につながるだけでなく、食中毒や食品事故防止のうえからも重要なことです。
出勤したら、必ず冷蔵庫・冷凍庫の中をのぞいて在庫チェックする習慣を身に付けてください。