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今回は2月4日に決算発表のあった松屋フーズの実績についてまとめていきます。
株式会社 松屋フーズ
*本ブログの資料は松屋フーズのIRデータを参照しています。
松屋フーズ 第3Q決算
さっそく第3Qの業績を振り返ってみましょう。
2019年3月期 第3Q決算 単位:百万円 %は前年比
【昨年比較】
第3Q決算 増収減益
売上高
売上高は732.0億円と前年同期比で+5.2%と伸びています。50店舗の新規出店効果にプラスして、既存店売上も+1.8%と堅調に推移しています。
新規出店&改装
合計で50店舗出店、7店舗が撤退、トータル店舗数は1,170店舗となっています。
店舗数 | 出店 | 閉店 | |
牛めし業態 | 958 | 11 | 6 |
とんかつ業態 | 181 | 34 | 1 |
すし業態 | 7 | 1 | 0 |
その他 | 24 | 4 | 0 |
*改装57店舗実施
出店の実績から見ても分かる通り、とんかつ業態の拡大をメインに展開しています。牛丼はレッドオーシャンですからね。
収益性分析
営業利益は30.1億円となり前年同期比で-4.2億円と大きくダウンしています。IRによると新規出店と改装増加による影響が大きいとされています。
経費別にみていくと、材料費は32.4%→32.8%へと増加、人件費は35.0%→34.2%へ減少とFLコストの改善は進みましたが、その他の経費が27.7%→28.9%へ上昇したため利益を圧迫しています。
貸借対照表 B/S
バランスシートも確認しましょう。
単位:百万円
(。´・ω・)ん?
前年の期末と比較するとキャッシュが̠▼10億円と大きく減って、原材料のストック額が12億円増ですか。めちゃめちゃ増えてますね。出店と改装が多かったんでキャッシュが減るのは分かるんですが・・・??
流動負債(短期借入金など1年以内での返済必要)が35億円と期首から膨らんでます。
流動比率:14,183 ÷ 16,481 = 86.0%
当座比率:8,689 ÷ 16,481 = 52.7%
原材料が極端に増えている要因が不明なので何とも言えませんが、当座比率を見ると資金繰りが怖いですね。
キャッシュフロー計算書
第3Qではキャッシュフロー計算書は公表されないので、表は前年までの期末実績です。ダイジェスト版では分かりずらいので決算資料も持ってきます。
たな卸資産が3月末までにどう推移するかは不明ですが、第3Qのままの推移と仮定すると営業キャッシュフローを12億円ほど押し下げる要因になります。
2019年1月速報値
1月の速報値も出ていました。売上は確実に伸びているんで、今年度はこのまま逃げ切れそうな感じです。
株価推移 証券コード9887 東証1部
【株価】 2/5現在 3,600円
*2年チャート
*5年チャート
チャートでは長期トレンドは右肩下がり、直近ではよこよこの動きになってきています。
PER 28.59%
PBR 1.69倍
従業員数 1,474人(連結)
平均年齢 36.7歳
平均年収 5,180千円
従業員数 | 平均年齢 | 平均年収 | |
2016 | 1,365 | 36.1 | 530 |
2017 | 1,469 | 36.2 | 521 |
2018 | 1,474 | 36.7 | 518 |
平均年齢の推移のわりに平均年収が下がっているのは気になります。
配当金と株主優待情報
【株主優待】
100株以上で優待食事券10枚
「松屋」「松乃屋」「チキン亭」全店で主要メニュー及びおすすめメニューより1品選択可能なお食事券
【配当金】
配当金 24円見込み(変動なし)
配当利回り 0.67%
【配当+利回り】
現在の株価が3,600円なので、1単元購入で360,000円(+手数料)で松屋フーズの株主になれます。
1単元(=100株)所有で、優待券で鍋セットとかもいけますので700円×10枚で計算すると7,000円分、配当金が2,400円なので・・・還元率は2.61%です。年に1回なのがちょっと寂しい感じですかね。ちなみに吉野家HLDは4.66%です。
会計マメ知識
流動資産:1年以内に資金化が見込める資産
流動負債:1年以内に返済の必要な負債
当座資産:流動資産の中ですぐに換金できるもの
流動比率:流動資産 ÷ 流動負債
(200%以上が望ましい)
当座比率:当座資産 ÷ 流動負債
(100%以上が望ましい)
自己資本比率:自己資本 ÷ 総資本
(成長段階では設備投資が先行するので低くなりがちだが40%以上が望ましい)