この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。
*この記事は2020年1月に更新しています。
売上はほぼ計画通りだけど、利益は計画までとどかないな
売上が伸びれば利益も増えるから、もっと売上を伸ばさないと・・・



目次
利益体質のお店にする
売上は利益を残すための手段の一つだってことを理解しましょう。
商売を続けるためには何が必要でしょう?
手元にキャッシュが残ること!
手元に残るお金がなきゃ商売続けられません。
お客様からお金をもらった中から、支払いをすませてお金をしっかり残すことが必須です。
飲食店で難しいのは、入ってくるお金が安定しないので、手元にお金を残すためには売上に見合った経費の調整がその都度必要になってくることです。
率と金額の違いを理解する
数字を見るときに注意してほしいのが「率と高」をごっちゃにしないことです。
- 売上前年比、材料費率、人件費率、利益率
- 売上高差異、材料費高、人件費高、利益高
「率」は「金額」によって動きます。
コントロールの前提は「金額」に焦点を当てることです。
率で追いかけるのでなく、金額にフォーカスすることでアクションが具体的になります。
「人件費率を2%削減しよう」ではなく、「人件費を10万円削減しよう」を前提にすることによって、具体的に10万円を減らすために何をしないとならないかの議論に入れます。
人時売上高を理解する
人時売上高
その店で一人の従業員が1時間あたりどれくらいの売上高を上げているかを表す指標
人件費を管理するのに活用されます。
飲食店の場合、最低でも4,000円以上は欲しいところです。
人時売上高は高いほどいい?



中長期的に売上が下がり続けて利益を生み出せないループにハマります。
お客様視点
「値段の割には料理も遅いしバタバタしてて、今一つの店だな・・・」
逆に人時売上高が適正よりも低いと、売上が増えても利益が減ってしまいます。
人時売上高がいくらか計算してみよう
簡単な例題を出しますので人時売上高の公式に当てはめて解いてみてください。
【例題】
A店のある月の売上高が750万円、労働時間が1,850時間でした。
人時売上高がいくらになるか求めなさい。
例題を解いたら、自分の店の前月の人時売上高を計算で出してみてください。
1か月間の売上がいくらだったか、労働時間は何時間だったかのデータが必要です。
前月分が出来たら、過去1年分くらいさかのぼってみましょう。
自店舗の実力が見えてくると思います。



予算を作るときに人時売上高を活用する
予算を作る時に人時売上高を活用していきましょう。
注意することとして、売上については願望が入ってしまうと経費もバブってしまいます。
直近トレンドを加味した数字で組み立ててください。
人時売上高は売上予算から人件費を組み立てるときに活用します。
売上高 ÷ 目標人時売上高 = 使える労働時間
そこから社員労働時間を引いた残りがPAの労働時間です。
PAの労働時間数に平均時給をかけたものがスタッフの人件費になります。
目標の人時売上高を決めるには
チェーン店であれば、自社の中で売上規模が近くて結果を出しているお店の人時売上高をターゲットにするのが手っ取り早いです。
計画を組み立ててみましょう!
まず、月間の売上高予測を30日(日割り)に割り当てていきます。
曜日ごとの売上傾向や、給料日や年金支給日や近隣の学校イベントなどを考慮し日割りの売上予測を立ててください。
次に1日ごとに労働時間を割り当てていきます。
売上の大小にかかわらず固定で発生する時間がありますので、最初に基本となる時間数を日々の時間として割り当てていきます。
そのあとに残った分を日々の売上に応じて当てはめていきます。
平日、金曜、土曜、日祝日ごとに売上変動が大きい店は曜日ごとに目標とする人時売上高を算出してみるといいでしょう。
月間で使える金額の枠を人時売上高をもとに明確にしていくことで、人件費を抑えていくことができます。
あとは、当日の予約状況や、メンツ、新人のトレーニングなどを考慮し実際のシフトを作成していってください。
月中では売上の変動に対して人時売上高が計画とどれくらいずれているのかを、毎日チェックして追いかけていってください。
日々確認することで人件費のコントロールが可能になっていきます。
【練習問題】
ある日の店の売上高が150,000円で、人時売上高が5,000円でした。社員が10時間働いたとすると、アルバイトの労働時間は何時間だったでしょうか。
◆
◆
◆
練習問題の解答
150,000円 ÷ 5,000円 = 30時間
まとめ
今回は人時売上高についてまとめてみました。
・経費の管理は率ではなく金額にフォーカスする。
・人時売上高は一人の従業員が1時間あたりどれくらいの売上高を上げているかを表す指標のこと。
・予算を組むときや、日々の労働時間コントロールに人時売上高を活用する。


