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*この記事は2020年7月に更新されています。


メニュー開発でライスの分量をどうしようかと考えている担当者の方や、ライスの量をどれくらいにすればいいのか悩んでいる経営者の方に役立つ記事になっています。




炊飯によるライスの重さの変化
炊飯によってライスの重さがどれくらい変化するか分かりますか?
精米されたライスは洗米・浸水・炊飯の工程を経ることで、元の米粒の重さと比較して約2.2倍~2.4倍に増量します。
今回、私が3回ほど実測した平均値だと2.365倍でした。
分かりやすくするために2.3倍で計算してみると
100gの精米は炊飯することで230gになります。
=100g × 2.3倍
1人前のライスを200gとすると必要な精米は86.96gです。
=200g ÷ 2.3倍
米10gの原価は? ライスの原価計算
実際の原価計算に入る前に米一粒の世界を覗いてみましょう。
炊きあがったライスで10g当たり何粒の米があるか検討つきますか?
一般的には米1合(=150g)お茶碗1杯分に6482.7粒の米があると言われてます。
6,500粒で計算すると、150g ÷ 6,500粒 = 0.023g
論より証拠で、実際に数えてみたところ220粒でした。
理論的に出すと
6,500粒 ÷ 15 = 433粒
増量分を加味すると、433粒 ÷ 2.3倍 =188粒
若干差があります。
演習
米5kgの仕入れ値を2,500円として原価計算してみましょう。
=米1kgだと500円
=米1gだと0.5円
1kgの米を炊飯すると2.3倍になるとすると、2.3kgのライスが出来上がります。
*歩留まりや水の原価は無視します。
ライス100gあたりの原価を計算してみます。
この後の展開も考えてライス1gの原価から出してみましょう。
米1gで0.5円のものが、2.3倍になるんで・・・
0.5円 ÷ 2.3倍 ≒ 0.217円(ライス1gの原価)
0.217円 × 100g =21.7円
1人前のライスの量の変化による食材費への影響
いよいよ本題です。
ライス1gの原価が0.217円ですから
1人前の量(g) 原価(円)
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1か月あたりのライスの出庫量を3,500食で、1人前の量を200gとすると
3,500食 × 200g = 700,000g(ライスの総量)
700,000g × 0.217g = 151,900円(①1月当たりの原価)
仮に、ライスのポーションを10g減らして190gにすると
3,500食 × 190g =665,000g
665,000g × 0.217g = 144,305円(②)
10g減らした時の原価の影響度は
① - ② = 7,595円
1月の売上が500万円だと仮定してみると
食材比率では、7,595円 ÷ 500万円 = 0.0015
10gのレシピ変更で約0.15%ほど食材費が動く計算になります。
ポーションオーバー
ライスについては店舗のオペレーションの中でポーションオーバーが気になる方も多いと思います。
ポーションオーバーを改善するには、地味ですが計量するのが一番の解決策です。
塵も積もれば山となる!
プラスで提案したいのは
200gを個々に量るだけでなく
10gがどれくらいのライスの量になるのか計量してみてください。
きっと10gの量の少なさにびっくりすると思います。
でもその違いを意識できるかどうかが、ポーションを安定させる元になりますので、ぜひ取り組んでみてください。
まとめ
スーパーやコンビニで買い物をしていると、おにぎりもスナック菓子もいろんなものが呆れるくらいダウンサイズ(内容量が減る)されていることに気づきます。
日本人の平均年齢が上がっていく中で、胃袋全体の総量も少しずつ小さくなっているのは間違いありません。
お店のライスの分量も今のままでいいのかの検討が必然ではないでしょうか?



