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これからメニュー価格の見直しを考えている方向けに価格設定についてまとめてみました。
心理学的な要素も盛り込んでいますので、あなたの店で売価を決める際に役立ててもらえたらと思います。
ダメな価格設定
最初に理解が必要なのは、人が価格を高い低いと判断するのはあくまでも相対的なものであるということです。
原価に対してある利益幅を設定してメニュー価格を決めるという手法は、お客さまの視点がまったくありません。
お客さまの気持ちを考えずに価格を決めると、魅力を感じないメニューとなってしまいます。
お客さまは予算を考えたうえで店を選択します。お客さまが予算に対して不安を感じるメニューは価格を再設定しましょう。
その一つとして、メニューの価格数が多いと、食事をしていくらかかるのか予算が分かりずらいので非常に不安になります。
お客さまは頭の中でこれくらいかなって考えながら注文しますので、暗算しずらい、分かりずらい値付けに対してはストレスがたまります。
かかる予算に対して不安心理が働くと、人は注文を控えるようになります。
注文数が減るだけでなく使いずらい店として一部の客層以外には敬遠される店になってしまいます。
メニューを時価表示している寿司屋と、回転ずしとかを比べればすぐにピンと来ると思います。
売上がずるずると落ちている店は、このあたりのことも要チェックです。
その店で一番商品数の多い価格帯のことを中心価格帯といいます。
その中心価格帯を構成する商品ボリュームが薄いと店のメニューの印象がぼやけます。
これも予算(値段)が分かりずらくなり、売上が低迷する原因になります。
中心価格帯には60%以上のアイテムをそろえましょう。
価格設定を考える上での心理的要素
大切なことなので繰り返しますが、
価格の高低はその人の持つ基準や利用動機の中で比較した相対的なものであることを理解してください。
この商品だったらこれくらいの値段、この雰囲気の店だったらこれくらいの値段、この場所だったらこの値段、また高い価格のものを見た後だと普通の価格が安く見えたりします。
心理的な影響度も極めて高いです。
ハレの特別な日での利用であれば、予算の高い店から探すことが多いでしょう。
これは利用動機が食事を通じて高い満足感を得ることが目的になるからです。
金を多く出すことで満足を担保したい心理も働いています。
大切な彼女とのデートで吉野家とか使わないですよね。
原価がいくらかかったのかはどうでもよくて、お客さまは支払った金額以上に価値を感じることが出来れば満足します。
そしてお金で満足感を得られるならば予算の許す限りの選択をすることも多いです。
雰囲気やサービスの良さ、商品の華やかさなどで、
お客さまの見栄や虚栄心をうまくくすぐることが出来れば価格設定は高くても喜んでお金を支払います。
端数価格と名声価格の使い分け
端数価格とは980円、9,980円とかの端数の出る価格のことを指します。
端数価格を設定することによる利点は、お客さまに1桁値段が変わることでお得感を与えることが出来ることです。
お得感を感じたお客さまは注文数を増やしてくれる効果があります。
ただマイナス面としては、安いっていう印象を植えつけますので実際に高い商品を売りたいお店にはプラスに働きません。
高い客単価を目指す店の場合は名声価格といって、
端数価格の場合だと9,800円で値付けするものを、10,000円で価格設定し高級さをアピールした方がブランドイメージでもプラスになります。
まとめ
今回は基本的なことだけを並べました。
メニュー変更を重ねていくなかで見落としていた点がないかは改めて確認してもらえたらと思います。
価格の設定はお客さまが感じる価値との天秤です。
心理を読んでそれを逆手にとるべきです。
中小零細の店は、安さの勝負では大手に太刀打ちできません。
どうやって価値を生み出して価格を上げていけるか、頭を使って工夫していきましょう。
例えば・・・
商品内容は一緒でも食器を変えるだけで値段とれますよね。
食器を買うという初期費用を使うことで、その後の利益額を変えることができたりします。