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店舗数値に強くなる方法の第2段として、「損益計算書」を知識ゼロの人が理解できるように順を追って説明していきます。
飲食店を営む以上、ある期間において、いくらの売上があって、いくら儲かったかを知ることは重要なことです。
そのいくら売上があって、いくら儲かったかを表すのが「損益計算書」です。
自分の財布に置き換えると、今月収入がいくらあって、支払いがいくらで、手元にいくら残ったかを表したものです。
大まかに基本構造を理解する
〇〇店 損益計算書 2月
売上高 | 5,000,000 | |
---|---|---|
材料費 | 1,650,000 | (33%) |
売上総利益 | 3,350,000 | (67%) |
人件費 | 1600000 | (32%) |
物件費 | 500,000 | (10%) |
諸経費 | 650,000 | (13%) |
販売管理費 | 2,750,000 | (55%) |
営業利益 | 600,000 | (12%) |
営業外収支 | 250,000 | (5%) |
経常利益 | 350,000 | (7%) |
*金額のとなりの( )内は売上高を100%としたときの、それぞれの売上対比のパーセントです。
今の段階では、まだ分からなくても気にしなくていいので先に進んでください。
数値に強くなるには、電卓を数多く叩くことが近道になります。
電卓を使って、何が足してあり、何が引いてあるかを確認していきましょう。
←で各項目について補足をいれています。
売上高 | 5,000,000 | (100%) | ←収入 |
---|---|---|---|
材料費 | 1,650,000 | (33%) | ←(-)*主に食材費 |
売上総利益 | 3,350,000 | (67%) | ←(売上高-材料費) *粗利益とも言います |
人件費 | 1,600,000 | (32%) | ←(-)支出 *社員やスタッフの給料など |
物件費 | 500,000 | (10%) | ←(-)支出 *家賃や駐車場代 |
諸経費 | 650,000 | (13%) | ←(-)支出 *電気、ガス、水道、消耗品、備品、通信費他 |
販売管理費 | 2,750,000 | (55%) | ←(人件費+物件費+諸経費)を足したもの |
営業利益 | 600,000 | (12%) | ←(売上総利益-販売管理費) *店舗の営業活動で生まれた利益 |
営業外収支 | 250,000 | (5%) | ←(±)借入金の金利支払い分など |
経常利益 | 350,000 | (7%) | ←(営業利益±営業外収支) *最終的な利益 |
電卓を使って、経常利益まで数字が合うかを確認してみてください。
最初の財布の例でいうと、2月は、500万円の収入があって、465万円の支払いがあって、手元に35万円が残った(利益がでた)状態ですね。
損益計算書の並び順を覚える
まず、何でこの項目がここにあるのかなどは考えずに、機械的に並びを覚えてしまってください。
外国語を覚える時と一緒で、例えば「できる」を何で「CAN」って言うのって考えたり、文法が何でそうなってるのかを深く追及することはムダに時間を費やすことになります。
また、会社によって損益計算書の表現の仕方が違っている場合があります。
自社に合わせたものに置き換えて作業してみてください。
*何故違うかの説明は今回は割愛しますが、管理会計と財務会計の違いによるものです。
*実際の損益計算書は、より詳細に記述されていますが、「木を見るより森を見ろ」で、大きな項目を抜き出してその配置がどうなっているのかを覚えましょう。
並び順の覚え方は、ポストイットや小さな暗記カードとかに売上~経常利益までの項目を1つづつ書き出してみてください。
で、それをバラバラにしてから、並び替える練習をしてみてください。
*損益計算書はそれほど難しくないのでここまでやらなくても大丈夫な人が多いですが、貸借対照表を覚えるときには使える技です。
プライムコストの数値(比率)を覚える
飲食店におけるプライム(重要)コストは材料費(F:フード)と人件費(L:レイバー)です。
*多分、仕事ができる店長とかは、略して「FLは~」とか言ってると思います。
この2つで全体の経費の7割近くを占めますので、それぞれが何%になっているのかを確認してください。
目標としては合わせて60%以内ですが、なかなか難しいものがあります。
自社や自店舗の材料費と人件費がどれくらいを目標としているかは、先輩や上司の方に聞いてメモしておいてください。
経費については、材料費と人件費の2つを徹底して追いかけていくことが肝になります。
自社の目標の比率を覚えること、自店舗の現状の比率を覚えること、まずこの2つを行ってください。
数字に強いか弱いかの物差しの一つに、数字をどれだけ覚えている(暗記)かがあります。
自分に自信をつけるためにも、材料費、人件費については、聞かれたらすぐに答えられるように実績や目標値の数字を覚えておきましょう。