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平均時給から逆算したときに必要となる生産性や売上高についての話をしていきます。
①平均時給の意味を理解し求め方が理解できます。
②平均時給から必要となる売上高や生産性がいくらかの発想が組み立てられるようになります。
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平均時給を分解していくことで、
オペレーションのあるべき姿を考えるきっかけになるアドバイスを盛り込んでおきました。
平均時給とは
平均時給とは、従業員が一人一時間あたりいくらの時給なのかを表したものです。
【PA平均時給】
PAのみを対象とし、一人1時間いくらの時給になるかを計算して求めます。
【総平均時給】
PAだけでなく、社員を含めたお店で働く全従業員を対象とした時給をあらわします。
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平均時給の計算方法
【平均時給を求める公式】
- PA平均時給=PA給与÷総労働時間
- 社員時給=社員給与÷総労働時間
- 総平均時給=(社員給与+PA給与)÷総労働時間
- 総平均時給=(社員時給×社員労働時間+PA平均時給×PA労働時間)÷総労働時間
- 総平均時給=(社員時給×社員比率+PA平均時給×PA比率)÷100
4、5は計算方法が複雑になっていますが、
平均時給を調整するには、どの項目に着目すればいいかを示しています。
平均時給から必要となる売上高や生産性を求める
【例題】
A店はPAだけで運営されています。
平均時給:1,185円、月間労働時間:2,000時間としたときに
①このお店の人件費率を30%以内にするには、どれくらいの人時売上高が必要でしょうか?
②また、必要な売上高はいくらになりますか。
A店の平均時給は1,185円(東京都の平均)なので、
①必要となる人時売上高は・・・
=1,185円×(100%÷30%)
=1,185円×約3.33倍
=3,946円
A店のトータル労働時間は2,000時間なので、
②必要な売上高は・・・
=2,000時間×3,946円=7,892,000円
【例題2】
さきほど挙げたA店に社員1名が配属されました。
社員時給:2,875円(*後述)
PA平均時給:1,185円
月間の社員労働時間を180時間、PA労働時間を1,820としたときに
①A店の総平均時給を求めなさい。
②A店の人件費率30%を維持するために必要な人時売上高と売上高を求めなさい。
①総平均時給は・・・
=(2,875円×180時間+1,185円×1,820時間)÷2,000時間
=(517,500円+2,156,700円)÷2,000時間
≒1,337円
A店の人件費率を30%以内にするための
②必要な人時売上高は・・・
=1,337円×3.33≒4,452円
必要な売上高は・・・
=4,452円×2,000時間=8,904,000円
平均時給の変化による影響の重要さについては理解していただけたかと思います。
*社員時給の設定
今回は、社員の平均時給を以下のように求めました。
社員給与=500万円×15%=575万円
年間の所定労働時間を2,000時間とすると、
社員時給=575万円÷2,000時間=2,875円
社員年間給与:500万円(上場企業平均から)
事業者負担分は15~16%で計算
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平均時給を秒給まで分解してみる
時給⇒30分給⇒1分給⇒1秒給
ここで、
A店の総平均時給1,337円で計算すると・・・
- 30分給=1,337円÷2≒669円
- 1分給=1,337円÷60≒22.3円
- 1秒給=1,337円÷3,600≒0.37円
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売上高に占める人件費率の割合を約30%とすると、
それぞれの時間帯別で求めた金額の3.3倍の売上が必要になってきます。
ざっくりとした数値だと・・・
- 1秒で1.2円
- 1分で75円
- 30分で2,200円
- 60分で4,400円
上述した売上を獲得できるかどうかの視点から、
お店の商品価格やオペレーションがどうなっているのかを分析してみることをおススメします。
東京都の平均時給
まとめ


あらためて、あなたのお店の平均時給がいくらなのかを確認してみてください。
また、気になるお店があれば計算して比較してみてください。
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人材不足の状況が続く限り平均時給の上昇は今後も続いていきます。
平均時給が上がるという前提のもとに、商品の価格はいくらにするのか、オペレーションや生産性はどうあるべきかを先取りしながら組み立てていく必要があるでしょう。