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こんにちは!
飲食店の計数管理の基礎力をつけるための17回目の講座を始めます。
今回は飲食店で適正な生産性を求めるのに人時接客数を使ってみましょうという話をしていきます。
この記事を読むことで、
①人時接客数の意味が理解できます。
②人時接客数の求め方が理解できます。
③生産性の基準(高い低い)について過去実績や他店舗との比較ができるようになります。
経営者の方には、人時接客数と人時売上高の違いを再確認していただき、自社ではどちらを活用すべきかについての簡単なアドバイスも盛り込んでおきました。
人時接客数とは
【キーワード】
人時接客数 人時売上高 人時生産性 人件費
オペレーションの効率の良し悪しを判断する指標として用いられます。
人時接客数が高ければ生産性が高い店という判断ができます。
・接客といいましたが、キッチンや清掃などすべての時間を含みます。
・接客生産性とよぶ大手の会社もあります。
人時接客数の公式
人時接客数=客数÷労働時間
人時接客数=人時売上高÷客単価
人時売上高=人時接客数×客単価
基準値は客単価がいくらかでバラけます(次の章で説明)



人時接客数と人時売上高の違い
人時接客数=客数÷労働時間
人時売上高=売上高÷労働時間
人時接客数=人時売上高÷客単価
仮に客単価が1,000円のA店と3,000円のB店があったとします。
人時売上高はともに4,000円を達成しています。
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A店の人時接客数=4,000円÷1,000円=4.0人
B店の人時接客数=4,000円÷3,000円≒1.3人
特に客単価の高い業態は、人時接客数が高すぎると充分なサービスが出来ない危険性があります。
基準という話をしましたが、客単価の高い業態は人時接客数があるレンジから上がらないように注意する必要があります。
また、居酒屋や焼肉など追加注文の多い単価の高い業態については、人時接客数でなく人時売上高をベースに生産性の議論をしたほうが賢明です。
人時接客数を改善するには
アプローチの仕方は人時売上高と同じになります!
「人時接客数が高いほどいいか?」についても同記事を参照してください。
練習問題
尼崎西長洲店の12月の売上が1,200万円でした。客単価を2,000円、労働時間を1,800時間としたときに、人時接客数が何人になるかを求めなさい。
*小数点以下3位を四捨五入
前回解答
労働分配率=330万円÷660万円=0.5(50%)
まとめ


ネットの記事を見てみると3.5~4.0人を目標とするべきなどの記載が多いです。これは、客単価1,300円前後のファミレスでの設定なので、あなたの業態にあった基準値の設定が必要です。
とくに複数の業態を運営している経営者の方は人時接客数と人時売上高の違いを理解して、適切な指標で数値を追いかけるようにしてください。