今回は2019年3月号の雑誌「飲食店経営」の内容紹介を行っていきます。
インタビュー記事 株式会社イタリアンイノベーションクッチーナ 四家公明氏
冒頭のインタビュー記事は(株)イタリアンイノベーションクッチーナ代表取締役の四家公明氏への取材です。
四家氏は実家が飲食店を経営しており両親の影響をつよく受けて育ちました。高校卒業後には独立目指して都内のイタリアンの店で修業を行っており、26歳の時に武蔵小山に「とすかーな」をオープンさせ独立を果たしています。
メニュー開発については、面白いもの、独自のものの追求姿勢にプラスして、無農薬野菜や化学調味料を使わないメニューの開発にも力をいれています。「おいしいものを食べると、人にも食べさせないと気が済まない性格」と本人は語っています。
社員比率50%超えの現状については、いいサービスがしたい、いい料理が出したい、人を大事に育てていきたいとの思いから社員を積極的に採用していった結果と述べています。
以下は共感できる部分なので、ちょっと長くなりますが本文から引用します。
私は従業員の成長を願っています。いつも成長してもらいたい。飲食業界では、特に料理人は技術を出し惜しみするケースが少なくありません。自分は10年かかったのだから、お前もそれくらい頑張れと・・・(中略)・・・時代が変化しているのに、修業に時間をかけてはいけません。スピードアップが必要不可欠なのです。無駄なことに人生の大切な時間を消費させたらかわいそうでしょう。できることはさっさと教える・・・
株式会社イタリアンイノベーションクッチーナ HP
⇒ https://italian-innovation-cucina.jp/
客単価を上げるヒント
特集記事は「客単価を上げるヒント」として、「サービス」「看板」「ドリンク」「メニュー」「システム」ごとに事例を上げて紹介しています。
今回は、その中でサービスと看板の2つの記事の紹介をします。
サービス力で単価を上げる
株式会社國屋の運営する「ろばた翔」を取り上げています。
同店舗の高いサービス力を支える一つがオープン前のミーティングです。毎日オープン前の13時から1時間のミーティングを行っています。そこでは①「休み報告」、②「前日の振り返り」、③「コンセプトシートの読み合わせ」を行っています。
①の休み報告はスタッフ各々が休みの日に何をしていたかを話せる範囲で語ってもらうというもので、ミーティングに入っていく気持ちを盛り上げるのに役立っています。仲間としての共感も高まりますし面白いですね。
肝は③の店のコンセプトを確認しあっていくっていう部分かなと思います。
「ろばた翔サービスの定義」として『欲しいもの』が『欲しい時に』『欲しいと言わずに』『欲しいところに出てくる』・・・例えば「ドリンクを出す際は、お客様の箸の位置などから利き手を覚えそちら側に置く」とか・・・
こんな内容の話を毎日オープン前のミーティングで繰り返し話すことで、各スタッフのサービス力が上がっていき、お客様のニーズをとらえながらしっかり商品のおススメが出来て、客単価も高い水準で維持できているのかなと感じます。
「継続は力なり」ですね。。。
「ろばた翔」食べログ
⇒ https://tabelog.com/tokyo/A1304/
看板で客単価(売上)を上げる
株式会社Globridge(グロブリッジ)での販促の中で看板の活用について、同社の集客改善プロデューサーの東海好美氏の話が紹介されています。
飲食店の売上を来店の切り口からみて、①目的来店、②リピーター、③フリーの3種類に分けたときに、フリーのお客様がその店を選ぶかどうかの際に看板の果たす役割は大きいと述べています。
そして看板はただ店のアピールを打ち出すだけでなく、フリーの潜在客の中の狙いたい客層に向けたメッセージをしっかり盛り込んだものにする必要があること。その際の組み立てとしては「ペルソナ」での仮説設定や「AIDMA」による購買行動心理などを活用していきます。
株式会社Globridge HP
⇒ http://www.globridge.co.jp/
実力店長の紹介
ベビーフェイスプラネッツ津芸濃店の稲垣泰史オーナー店長が紹介されています。
フードコンセプトは「前来たときよりも今日の方がおいしい」として、料理の出来栄えにこだわって何度も作り直しさせるなど完璧を目指す姿勢で取り組んでいます。
稲垣オーナーはスタッフのモチベーションへの配慮は欠かせないとし、「ほめると叱るの割合は8:2」「叱るときは1対1で」などを基本に、モチベーションの上がる言葉を選んで多用するなどの工夫をしています。
ベビーフェイスプラネッツ津芸濃店 HP
⇒ https://www.babyface-rosso.com/new
SVの紹介
株式会社テンコーポレーションの林誉浩スーパーバイザーを紹介しています。記事中でSVとしての役割として大切なことをアレコレ語っています。佐々木氏いわく、SVとして大事なスキルは「コミュニケーション能力」、成功の秘訣は人を動かせる「情熱」が大切とインタビューに答えています。
株式会社テンコーポレーション HP
⇒ http://www.tenya.co.jp/
その他の記事
今回取り上げた記事以外にも、スイーツのトレンド紹介など有益な情報はいくつもありましたが、私的には「集客の視点」をテーマにした印束義則氏の記事がすぐに実践で使える内容としておススメしておきます。
【用語】
ペルソナ:マーケティング上で狙うターゲットを明確にするために、年齢、性別、職業、ライフスタイルなど詳細に設定された架空の人物のこと。
AIDMA:消費者が購買にいたるまでに取る行動をAttention(注意)Interest(関心) Desire(欲求) Memory(記憶) Action(行動)に分解し、その頭文字を合わせたもの。マーケティング上それぞれの過程においてどう対応するかを考える必要がある。
参考記事
飲食店経営 2019年2月号紹介