経費の中で特に分かりずらい減価償却費とは? 

損益計算書に出てくる項目の中で分かりずらさNo1が「減価償却費」です。新規で開業しようとしている方も資金繰りのシュミレーションする中で、キャッシュの支払いとは違った動きをする減価償却費の意味が今一つ分からない方も多いのではないでしょうか。

今回は減価償却費とは何かを理解してもらえるよう話を進めていきます。

減価償却費とは

厨房機器などの設備・建物・車といった資産は、時間の経過とともに古くなっていきます。それによって購入当時の資産価値に比べて、古くなったものは価値が目減りしていきます。 この資産の減少していく分を「減価償却費」と言います。

減価償却費として計上される金額は企業が勝手に決めていいものではなく法律で定められています。自動車であれば6年間など、それぞれの資産ごとに「耐用年数」が決められており、その耐用年数に応じて費用を分割する仕組みになっています。

【耐用年数】

飲食店業務用設備 8年間
参考⇒耐用年数表(国税庁)
https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34353.php

また、この耐用期間中の費用の計上の仕方として「定額法」「定率法」という2種類の方法があります。

定額法
購入費用から残存価額(購入価格の10%)を差し引いた額を、耐用年数で均等に割って、毎年同じ額を減価償却費として費用計上します。

定率法
取得価額を耐用年数に応じた一定の割合(率)で、減価償却費として費用計上していきます。

参考⇒定額法・定率法(国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2106.htm

ここまでの説明で、購入したときに金を払ってるのに、何で経費として全額費用計上できないんだって思う方もいると思います。そうでなくとも、非常に回りくどい感じがすると思いますが、これは事業者に対して税務署が節税させないという意味合いを持っているためです。減価償却費の金額を自由に設定できたり、一括して費用計上できるとなると、儲かっている時に物を買ったり設備投資することで、好き勝手に節税をすることが出来てしまいます。

まだ分かってない部分が多いと思いますので、例題や練習問題を解きながら減価償却費の理解を進めましょう。

問題の前に計算式を見ておきましょう。
定額法:購入価格 ×(1-残存価額の割合)÷ 耐用年数
定率法:(購入価格 - 累計の減価償却額)× 定率法の償却率

残存価額:資産を減価償却したあとも残る価値のこと。実際に価値があるというよりは、あくまでも経理上の記録として必要なものです。

【例題】
普通自動車を180万円で購入しました。 自動車の耐用年数は6年で、その後は資産としての価値がないものとします。定額法で毎年の減価償却費を求めなさい。

180万円(購入費用)÷6年=30万円(年)  減価償却費(年間)
これを月ごとの損益計算書に組み込むと
30万円 ÷ 12か月=2.5万円(月)

【練習問題】
今年の4月に蕎麦屋D店は、老朽化した厨房設備を250万円で入れ替えを行うことにしました。オーナーは減価償却費の計上方法について、定額法か定率法のどちらを選ぶか迷っています。定額法と定率法を選んだ場合、それぞれ月ごとの減価償却費がいくらになるかを調べて教えてあげてください。
ただし、耐用年数は8年間、定額法の残存価額は取得額の10%とします。定率法の場合の償却率を0.3として計算してください。

定額法
2,500,000円 × 0.9(残存価額を除く)÷ 8年間 = 281,250円
281,250円 ÷ 12ヵ月 = 23,475.5円(月)

別解 2,500,000円  ×0.9 × 0.125 =281,250円
281,250円 ÷ 12ヵ月 =23,475.5円(月)
*0.125:定額法の償却率(上表参照)

定率法
①(2,500,000円-0)×0.3=750,000円
②(2,500,000円-750,000円)×0.3=525,000円
③(2,500,000円ー1,275,000円)×0.3=367,500円
④(2,500,000円-1,642,500円)×0.3=257,250円
⑤(2,500,000円-1,899,750円)×0.3=180,075円
⑥(2,500,000円-2,079,825円)×0.3≒126,053円
⑦(2,500,000円-2,211,023円)×0.3≒86,693円
⑧(2,500,000円-2,297,716円)×0.3≒60,685円

1年目 62,500円(月)
2年目 43,750円(月)
3年目 30,625円(月)
4年目 21,438円(月)
5年目 15,006円(月)
6年目 10,504円(月)
7年目 7,224円(月)
8年目 5,057円(月)

ちょっと計算が続きましたね(^_^;)
定額法はシンプルなんで理解しやすいと思いますが、定率法は分かりずらい面があると思います。
見て分かるように定率法を使うと初期段階で多く費用計上できるメリットがあります。減価償却費として費用計上している分は、キャッシュとして出ていってる訳ではありませんので借入金の返済にあてたりすることが出来ます。ただし、設備は時間の経過とともに劣化していきますので、耐用年数の後期については修繕の費用や買い替えが必要になるリスクが発生することが予想されます。その辺も加味して減価償却費を考えてみてください。

長い投稿になってしまいました(>_<) 最後まで読んでいただきありがとうございます。
あれこれ綴ってきましたが、現時点では、減価償却費が何を意味するのかをぼんやりでもつかんでもらえればOKです。
このくらいの知識があれば、経理や会計の担当者と話しが通じると思いますので。




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