勝ち目のない戦を仕掛けてませんか? 損益分岐点分析でビジネスモデルの確認を

いつもブログを読んでいただきありがとうございます。

 

「損益分岐点売上高」と聞いて、なんとなくその意味を理解している人は多いのですが、求め方を知ってる人は少数派で、活用している人はほとんど居ないのではと感じています。

今回は一人でも多くの飲食マンが損益分岐点分析を使える武器として身につけてもらうために説明します。

 

 

 

損益分岐点(売上高)とは

 それ以上に売上が上がれば利益が出るし、それ以下の売上になれば赤字になる売上高のことです。
いわゆる売上と経費がトントン(黒字と赤字の分かれ目になる売上高)といったラインです。

英語では「BEP」Break Even Point ブレーク・イーブン・ポイントと言います。

お店を新規開店したり、安定運営を目指す以上はお店が黒字にならないと話が始まりませんので、自店舗の損益分岐点売上高(いくら売れれば利益がでるのか)がいくらなのかは良く理解しておく必要があります。

もちろん黒字ギリギリでは資金繰りが回らない危険性がありますので、損益分岐点売上高を出したうえで、目標の売上高を組み立てていくことになります。

また、損益分岐点売上高を自店舗の見込み客単価で割れば、何人お客さまが来店すればいいのかも分かりますね。

 

損益分岐点(売上高)の求め方

 

損益分岐点売上高 

= 固定費 ÷ (1-変動費÷売上高))

= 固定費 ÷ (1-変動費率)②

= 固定費 ÷ 限界利益率 ③

 

少し用語がとっつきにくい感じがしますが、①の公式だけ覚えておけば大丈夫です。

経費を固定費と変動費に仕分けすることさえ理解してしませば、後は計算式に当てはめるだけの簡単な話です。

テストじゃないんで、よく考えたら公式を覚える必要もありませんね。このブログ記事をブックマークしたり、スマホにメモしておけばいいんで。

 

限界利益とは

限界利益は、売上高から変動費を差し引いた利益のことです。

 

限界利益 = 売上高 - 変動費

 

これでは分かりずらいので、

 

『お客さまが一人(最小単位)増えるごとにいくらの利益になるか』と理解してください。

 

【例題】

客単価が1,000円、変動費が750円としたときの限界利益はいくらになるでしょうか。

また、限界利益率は何パーセントでしょうか。

 

【解答】

お客さまが一人来店すると、客単価が1,000円なんで売上が1,000円となります。

限界利益 = 客単価(1,000円) - 変動費(750円)

=250円

限界利益率 = 1 -(変動費(750円) ÷ 客単価(1,000円))

=1 - 0.75

=0.25(25%)

 

お客さまが一人来店するごとに250円の限界利益が積みあがっていきます。

この積みあがった金額が物件費などの固定費を超える額が損益分岐点売上高です。

 

損益分岐点客数の求め方

損益分岐点客数 = 固定費 ÷ お客さま一人あたりの限界利益

損益分岐点を客数を軸に考えて算出する方法です。

 

【例題】

固定費を1,000,000円、お客さま一人あたりの限界利益を250円としたときの損益分岐点客数は何人になるでしょうか。

 

【解答】

損益分岐点客数 = 1,000,000円 ÷ 250円

= 4,000人

 

損益分岐点を下げるには

下の図は損益分岐点をグラフで表したものです。見ずらくてすみません。

売上高が変わらないと仮定した場合・・・

損益分岐点を下げるには、固定費を下げることと、店長可能経費である変動費を出来るだけ抑えることが必要です。

 

固定費とは

家賃・地代・社員給与・減価償却費・金利負担など売上の大小に関わらず発生する費用のことです。

ほぼオープンの初期条件で決まるんで、店長の努力では動かせないコストです。

都心の一等地などで固定費が高いと、いくら売上がとれても赤字経営という事態になってしまいます。

利益を出すためには、いかに固定費を抑えるかがポイントです。

しかし、地域の家賃相場も変動しますのでオーナーとの家賃交渉は一定期間が経過したら行ってください。

変動費とは

材料費・パートアルバイト給与など、売上に応じて変動する費用のことです。

店長の管理努力や管理能力で下げることができるコストです。

逆にこれ以外は固定費として考えてもいいでしょう。

 

利益 = 売上 - 経費(固定費+変動費)

 

利益は結果ではなく、変動費をコントロールして狙って出すものです!

 

 

練習問題

実際に簡単な計算を行いながら損益分岐点売上高を求めていきましょう。

 

洋食店Aは、ハンバーグ定食1,000円のみを販売しています。
月間平均の損益計算書は以下の通りです。

売上高:300万円
家賃:25万円
材料費:100万円
人件費:110万円(社員分30万円、PA分80万円)
諸経費:30万円
減価償却費:25万円
利益:20万円

*諸経費:経費のうち材料費・人件費・物件費以外のものを指し、光熱費や消耗品代や衛生費など

①A店の損益分岐点はいくらでしょうか。

②また、限界利益はいくらでしょうか。

③客単価が1,000円として、何人のお客さまが来店すれば黒字になるでしょうか。

 

【解説】

まずは固定費と変動費に仕分けします。

固定費(110万円)=家賃(25万円) +社員給与(30万円)+諸経費(30万円)+減価償却費(25万円)

変動費(180万円)=材料費(100万円)+PA給与(80万円)

これを損益分岐点売上高を求める公式に当てはめると

損益分岐点売上高 = 固定費(110万円)÷(1-(変動費(180万円)÷売上高(300万円)))

= 110万円 ÷ 0.4

= 2,750,000円

 

限界利益 = 売上高(300万円) - 変動費(180万円)

= 120万円

 

損益分岐点売上高を約2,750,000円とすると、客単価が1,000円なので

黒字になる客数 = (2,750,000円 ÷ 1,000円)+ 1人

= 2,751人

 

応用問題

①上述した洋食店Aは毎週火曜日が定休になっており今月の営業日は25日間です。洋食店Aは1日何個のハンバーグ定食を売れば採算が取れてくるかを求めてください。

 

②洋食店Aは仕入れ原料の高騰と、採用難からパート・アルバイトの時給を上げることを検討しています。ハンバーグ定食の価格は据え置いたままとして、ハンバーグ1個あたりの原価が2%アップ、時給が30円アップとなったとしたときに、損益分岐点売上高はいくらになるでしょうか。1円以下は切り捨ててください。

*パート・アルバイトの月間労働時間は800時間とします。

 

【解答】

①損益分岐点売上高(2,750,000円)÷ハンバーグ定食の値段(1,000円)÷営業日(25日)

=110食分

 

②まず、変動費の増加分を求めると、

材料費の増加分 = 900,000円 × 0.02 =  18,000円

P・A給与の増加分 = 800時間 × 30円 =  24,000円

変動費 = 1,800,000円 + 42,000円 = 1,842,000円

変動費率 = 1,842,000円 ÷ 3,000,000円 = 0.614

損益分岐点売上 = 固定費(1,100,000円) ÷ (1 - 変動費率(0.614))

≒ 2,849,740円

 

損益分岐点比率とは

損益分岐点売上高はあくまでプラマイ・ゼロ(ギリギリ)の話なので経営としては非常に難しい状態です。

そこで損益分岐点売上高と比較して実際の売上高がどれくらいかという視点が大切になってきます。

その実際の売上高から損益分岐点売上高が〇%くらいにあるかを見るための指標を「損益分岐点比率」といいます。

 

損益分岐点比率 = 損益分岐点売上高 ÷ 売上高 × 100(%)

 

【練習問題】
居酒屋D店の月商は平均して1,050万円です。この居酒屋D店の損益分岐点売上高が920万円としたときの損益分岐点比率はいくらになるかを求めなさい。また、D店は売上が何%落ちると赤字になるかも合わせて求めてください。

損益分岐点比率 = 920万円 ÷ 1,050万円 × 100(%)
≒ 87.62%

赤字になるライン = 100% - 87.62%
= 12.38%

 

この12.38%分を「安全余裕度」といいます。

 

損益分岐点比率が低い(=安全余裕度が高い)ほど、売上減少時での持ちこたえることができます。

すなわち経営体質が強いお店と言えます。

 

 

 

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